細長い顔と、くるりと巻いた尾。タツノオトシゴは姿もユニークですが、赤ちゃんが生まれるしくみにも、意外な特徴があります。

タツノオトシゴでは、オスがおなか側の袋で卵を育て、赤ちゃんを産みます。お父さんが出産する魚なのです。

卵をつくるのは、お母さん

オスが出産すると聞くと、「卵もオスがつくるの?」と思いますね。卵をつくるのはメスです。その卵が、オスの袋へ受け渡されます。

米国海洋大気庁(NOAA)の解説では、メスから渡された卵はオスの袋の中で受精すると紹介されています。卵をつくる役目と、袋で育てる役目が分かれているのです。

袋の中で、赤ちゃんが育つ

オスのおなか側にある袋は「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれます。成長した赤ちゃんは、やがてこの袋から水中へ出ていきます。

アメリカのAquarium of the Pacificも、タツノオトシゴのオスが袋で卵を育て、子どもを外へ送り出すことを紹介しています。見た目の小さなふくらみが、子育ての場所なのですね。

形と、子育てを合わせて見てみよう

水族館で見るときは、頭や尾だけでなく、おなか側にも目を向けてみてください。袋を持つオスだとわかると、体の形を見る楽しみが増えます。

「赤ちゃんを産むのは母親」という身近な印象に、別の例を教えてくれる動物です。卵はメスがつくり、オスの袋で育つ。この分担を知ると、タツノオトシゴの姿がいっそう不思議で面白く感じられます。

タツノオトシゴでは、メスの卵をオスが袋で育てます。赤ちゃんを産むのは、お父さんです。