ウミガメの映像を見ていると、目元がぬれて、涙を流しているように見えることがあります。何か悲しいことがあったのでしょうか。

この見た目には、海で生きる体のしくみが関わっています。ウミガメは、目の近くにある腺から余分な塩を出します。その液体が、涙のように見えるのです。

海で暮らすと、塩も入ってくる

海水には塩が含まれています。海の中で食べたり、水を取り込んだりするウミガメにとって、体に入った余分な塩を外へ出すことは大切です。

陸の動物と同じやり方だけでなく、海の暮らしに合った特徴を持っているのですね。そのひとつが、目の近くにある特別な腺です。

目のそばにある、塩を出す腺

モントレーベイ水族館のアオウミガメの解説は、目の近くの一対の腺が余分な塩を取り除くと説明しています。このような器官は、塩類腺と呼ばれます。

ここから出る液体によって、目元がぬれ、泣いているように見えることがあります。見えている液体を、そのまま人と同じ感情の涙だと受け取ると、体の働きを見落としてしまいます。

涙のような姿に、海の暮らしの工夫

水族館の展示解説でも、ウミガメが目の近くから余分な塩を出すことが紹介されています。甲羅やひれだけでなく、目の周りにも海で暮らす工夫があるのです。

次に映像や写真でウミガメを見るときは、その顔にもそっと注目してみましょう。泣いているように見える一場面が、体の塩分を調節するしくみにつながっているかもしれません。

ウミガメの涙のような液体には、余分な塩を外へ出す働きが関わります。目のそばにも、海で暮らす工夫があります。