チョウの羽は、どうしてあんなにきれいなのでしょう。表面には、粉をまぶしたように見えるものがついています。

その正体は、鱗粉(りんぷん)と呼ばれる、とても小さなうろこ状の構造です。ばらばらの粉を、あとから振りかけたわけではありません。

羽を拡大すると、小さなうろこ

スミソニアン国立自然史博物館の解説では、チョウの羽を拡大すると、表面が小さな鱗で覆われている様子が紹介されています。

羽に触れたとき、指につく粉のようなものは、はがれた鱗粉です。細かいから粉に見えるのですね。確かめるために触るより、拡大写真や顕微鏡の映像で見ると、その形がよく分かります。

色は、色素だけでできるとは限らない

鱗粉は、羽の色や模様にも関わります。色素で色がつく場合に加えて、表面のとても細かな構造と光の関係で、色が見える場合もあります。

例えばモルフォチョウの仲間の鮮やかな青には、鱗粉の微細な構造が関わっています。青い絵の具を塗ったように見えても、色が生まれる道筋は同じではないのです。

一枚の羽に、小さな模様の集まり

遠くから見ると大きな色の面でも、近づくと小さな鱗粉の集まり。屋根に並ぶ瓦のように重なった姿が見られます。

チョウの写真を見るときは、全体の模様と、拡大された羽の表面を見比べてみてください。「粉だと思っていたものが、実は小さなうろこだった」と知るだけで、いつものチョウが少し違って見えてきます。

チョウの羽の粉のようなものは、鱗粉という小さなうろこです。色素や微細な構造が、美しい色や模様に関わっています。