竹を手に持ったような姿で、もぐもぐ食べるパンダ。丸い前足で、細い竹をどうやってつかんでいるのでしょう。

秘密のひとつは、5本の指のほかにある、親指のように働く手首の骨です。

「6本目の指」のようなものがある

ジャイアントパンダの前足には、通常の5本の指とは別に、大きくなった手首の骨があります。「偽の親指」や「疑似親指」と呼ばれる部分です。

本当に指がもう1本生えたという意味ではありません。もともと手首にある種子骨(しゅしこつ)が、つかむ動作に役立つ形になっています。

指と組み合わせて、竹をはさむ

この部分は、人の親指とまったく同じように動くわけではありません。指を曲げたとき、竹を受け止める支えのように働きます。

スミソニアン国立動物園の解説でも、パンダが座って食べるとき、前足と疑似親指を使って竹をつかむ様子が紹介されています。食事のしぐさには、体の工夫があるのです。

食べる場面で、前足に注目

2022年の研究では、昔のパンダの仲間の化石からも、大きくなった手首の骨が報告されています。竹を扱うための工夫には、長い歴史がありそうです。

次にパンダの映像を見るときは、顔だけでなく、竹を持つ前足にも注目してみてください。「手首の骨が、指の助っ人になっているんだ」と知ると、いつもの食事が違って見えます。

パンダの「もうひとつの親指」は、指ではなく手首の骨。5本の指と一緒に、竹をつかむのを助けます。