花を見つけたミツバチは、仲間に「こっちにあるよ」と、どうやって知らせるのでしょう。地図を描いたり、言葉で説明したりはできませんね。
よく研究されているセイヨウミツバチでは、体を振るダンスで、花のある方向や距離の手がかりを伝えます。動きが、道案内の役割を持っているのです。
巣に戻って、体をふりふり
食べ物のある花を見つけた働きバチが、巣に戻って見せる動きのひとつが「尻振りダンス」です。英語では、ワグルダンスと呼ばれます。
体を左右に震わせながら進み、回り込んで戻る動きを繰り返します。全体としては、8の字に似た道筋になる、独特のしぐさです。
向きと時間が、場所のヒント
ダンスの中で、体を震わせながら進む部分の向きが、花の方角を伝える手がかりになります。垂直な巣板の上では、太陽の方向との関係を、動きの角度で表します。
また、震わせながら進む部分の長さではなく、その動きを続ける時間が、花までの距離に対応します。人の住所のような文字情報とは違う、場所の伝え方ですね。
研究者も、ダンスを読み取る
英国サセックス大学の研究室は、巣の中のダンスを撮影し、向きや時間を測って、採餌場所を調べています。小さな動きの中から、ハチがどこへ出かけたかを知る手がかりを得られます。
花から花へ飛ぶ姿しか見えなくても、巣では仲間へ情報を伝える場面があります。ミツバチの暮らしには、飛ぶことのほかに、踊って知らせる一面もあるのです。
ミツバチの尻振りダンスには、花の方向と距離の手がかりがあります。体の動きが、仲間への道案内になります。



