ゴリラのまねといえば、胸をどんどん。つい、両手をグーにして胸へ当てたくなりますね。

ところが本物のゴリラは、手のひらを、おわんのようにくぼませて胸をたたきます。ぎゅっと握ったこぶしを当てるイメージとは、手の形が違うのです。

こぶしではなく、くぼませた手

マックスプランク研究所の研究紹介では、ゴリラが立ち上がり、くぼませた両手で胸を素早くたたく様子が説明されています。

この行動は「ドラミング」や「胸たたき」と呼ばれます。見慣れたまねのポーズでも、手をどんな形にしているかまでは、意外と見落としがちです。

声だけではない、伝え方

胸たたきで生まれるのは、喉から出す鳴き声とは違う音です。たたく音と、立って手を動かす姿の両方が、周囲へ伝わります。

動物のコミュニケーションは、声だけとは限りません。ゴリラは体の動きを使い、音も生み出しているのですね。胸たたきの一場面だけで、気持ちのすべてを決めつけることはできません。

音には、体格の手がかりも

2021年の研究は、野生の大人のオスのマウンテンゴリラを調べ、体の大きい個体ほど、胸たたきの音のピークとなる周波数が低い傾向を報告しました。

音に体格の情報が含まれることを示す結果です。動物園や映像でこのしぐさを見る機会があったら、大きな動きだけでなく、手の形や聞こえる音にも注目してみましょう。おなじみのポーズにも、本物ならではの細かな違いがあります。

ゴリラは、手のひらをくぼませて胸をたたきます。胸たたきは、音と見た目の両方で周囲へ伝わるしぐさです。