ヤギの顔をよく見ると、瞳の黒い部分が、横長の四角に近い形をしています。人の丸い瞳とは、ずいぶん違いますね。

研究では、横長の瞳孔は、地面に沿った広い範囲を見るのに役立つと考えられています。目の形と、草を食べながら周りを見る暮らしには、つながりがありそうです。

横長なのは、光を入れる瞳孔

ここでいう「瞳」は、目に光を入れる穴である瞳孔のことです。ヤギは目全体が四角いわけではなく、黒く見える瞳孔が横へ長くなっています。

2015年の研究は、陸上のさまざまな動物について、瞳孔の形と暮らし方の関係を調べました。横長の瞳孔は、頭の左右に目がある、草を食べる動物などに多く見られました。

地面に沿った景色を見渡す助けに

研究チームの光学モデルによる解析では、横長の形は、前後や横から入る光を取り込み、地面に沿った広い範囲を見るのに有利だと示されました。

周りの様子に気づくことや、でこぼこの地面を進むことにつながる、と研究者は説明しています。目の形は、ただ見た目がユニークなだけではないのですね。

顔を下げても、横向きを保つ

さらに研究者は、ヤギなどが草を食べるために頭を下げると、目が回転し、瞳孔の向きを地面に対して横向きに保つ様子を観察しました。

顔の角度が変わっても、瞳孔が一緒に傾くだけとは限らないのです。牧場や映像でヤギを見るときは、顔を上げた姿と草を食べる姿を見比べてみてください。小さな目にも、暮らしに合った工夫が見えてきます。

ヤギの横長の瞳孔は、地面に沿って周りを見るのに役立つと考えられています。草を食べて頭を下げるときにも、目の向きが調整されます。