ボールペンで書いた文字を、ペンの後ろのラバーでこすると消せる。使い慣れていても、なぜ消えるのかは意外と知らないものです。

パイロットのフリクションの場合、摩擦で生じる熱によって、インキが無色になるしくみを使っています。

こすることで、温度が変わる

専用のラバーを紙の上で動かすと、摩擦熱が生じます。フリクションのインキは温度で色が変わる性質を持ち、その熱で書いた文字が見えなくなります。

ラバーがインキを削り取ることが、消えるしくみの中心ではありません。「消えた」という見た目と、紙の上で起きていることは少し違うのです。

小さなカプセルに、色の工夫

インキには、色に関わる成分を閉じ込めた微細なカプセルが使われています。カプセルの中の成分の組み合わせが、温度によって変わり、色が出たり無色になったりします。

文字の形をしたインキが、紙からすっかりなくなるわけではありません。そのため、温度の条件によっては、消した筆跡が再び現れる場合もあります。

消せる性質に合わせて、使い分ける

このしくみは、書き直したいメモなどで便利です。一方、メーカーは証書類や宛名など、消えてはいけない記録には使わないよう案内しています。

この記事で紹介したのはフリクションのしくみで、すべての消せるペンが同じ方式とは限りません。身近な文房具にも、色と温度を利用する工夫が詰まっています。

フリクションの文字は、摩擦熱でインキが無色になります。インキそのものを紙から取り去っているわけではありません。