缶詰と缶切りは、セットで考えたくなるものです。でも、缶詰が誕生した日に、今のような専用の道具までそろっていたのでしょうか。
歴史をたどると、金属の缶詰が先に使われ、専用の缶切りは、その後に工夫されていきました。
1810年、金属の缶による保存
日本缶詰びん詰レトルト食品協会の解説では、現在につながるブリキ缶は、1810年にイギリスのピーター・デュランによって発明されたと紹介されています。
食べ物を容器に密封して保存する方法と、金属の缶を開ける専用の道具は、別の発明として考える必要があります。
1858年、缶を開ける道具の特許
アメリカのエズラ・ワーナーの特許には、1858年1月5日の日付があります。内容は、密封された缶を開ける道具についてのものです。
これは、世界で最初の缶切りが1858年だったと断定するための資料ではありません。ただ、缶を開ける道具が、金属の缶の登場から後の時代にも改良されていたことを示しています。
「できた」と「使いやすい」は別の段階
ワーナーの特許には、切る部分を交換できるなど、道具の構造を工夫した説明もあります。開ける道具も、一度で完成したわけではないのですね。
今は、ふたに開けるためのタブが付いた缶も見かけます。食べ物を保存する容器と、それを使いやすくする工夫。その二つを分けて眺めると、台所の道具にも長い道のりが見えてきます。
缶詰と缶切りは、同時に完成したセットではありません。容器のあとにも、開ける道具の工夫が続いてきました。



