ビーバーが木の枝を持って、かりかりとかじる姿。口元をよく見ると、大きな前歯がオレンジ色をしています。

この色は、歯の表面のエナメル質に含まれる鉄によるものです。木をかじるビーバーらしい、歯の特徴なのです。

色の秘密は、表面を覆うエナメル質

エナメル質は、歯の外側を覆う硬い部分です。スミソニアン国立動物園は、ビーバーの前歯のエナメル質には鉄が多く含まれ、そのため濃いオレンジ色に見えると説明しています。

鉄はエナメル質を強くし、かじるときに歯が割れたり欠けたりするのを防ぐのに役立ちます。オレンジ色は、ただの見た目の飾りではないのですね。

かじる道具は、使いながら形が整う

ビーバーの前歯は伸び続け、毎日使うことですり減ります。伸びることと、すり減ることが組み合わさっています。

同動物園の解説では、エナメル質より内側の柔らかい部分が速くすり減るため、歯の先がのみのような形に保たれると紹介されています。木を扱う道具が、口の中にあるようです。

枝を持つ手と、口元を見てみよう

ビーバーは器用な前脚で食べ物を持ち、木の皮や、その内側の柔らかい部分などを食べます。枝を持つ姿を見ると、食事の道具として歯を使っていることが伝わります。

写真や映像で歯がちらりと見えたら、その色にも注目してみてください。白い歯だけが当たり前だと思っていた印象に、動物ごとの体の工夫が加わります。

ビーバーのオレンジ色の前歯には、鉄を含むエナメル質が関係しています。木をかじる暮らしを支える、歯の工夫です。