植え込みのそばを、アリが一列にぞろぞろ。地面には道の線が描かれていないのに、どうして同じ場所を歩けるのでしょう。

行列をつくるアリの仲間では、フェロモンという物質を地面に残し、食べ物へ向かう道しるべにします。人には見えない、においの道があるのです。

食べ物を見つけると、道しるべを残す

食べ物を見つけたアリが巣へ戻るとき、道にフェロモンを残します。仲間はそれを手がかりに、食べ物のある方向へ進みます。

マックスプランク研究所の解説では、アリが同じ道を使う中で道しるべが補強され、おなじみの行列につながることが紹介されています。前のアリの姿を見て追いかけるだけではないのですね。

道しるべは、ずっと残るとは限らない

地面のフェロモンは、時間とともに弱くなります。その残り方は、種類や周囲の条件によっても違います。

サセックス大学が調べたアリでは、つけたばかりの道しるべが強く働く一方、時間がたつと効果が急速に失われました。においの道は、消えない看板を立てるのとは違う情報の伝え方です。

すべてのアリが、行列をつくるわけではない

アリの仲間には、こうした行列を使わず、単独で食べ物を探すものもいます。道の覚え方や探し方も、種類によってさまざまです。

いつもの道で行列を見つけたら、邪魔をせず、どこへ続いているか眺めてみましょう。小さな体が何匹も同じ場所を通る風景には、仲間へ情報を渡すしくみがつながっています。

行列をつくるアリは、地面に残すフェロモンを道しるべにします。仲間がたどる、目には見えないにおいの道です。