「鉛筆」と書くと、金属の鉛でできた芯を想像しそうになります。けれど、ふだん使う黒い鉛筆の芯の主な材料は、黒鉛と粘土です。

黒鉛には「鉛」という字が入っていますが、鉛という金属そのものではありません。黒鉛は炭素からできています。名前と中身を並べてみると、少しややこしい文房具ですね。

黒鉛は、滑りやすい層をもつ

黒鉛は「グラファイト」とも呼ばれます。層が重なった構造をもち、その層の間が滑りやすいことが、鉛筆で書くときのなめらかさに関係しています。

トンボ鉛筆の材料解説では、黒鉛の種類によって滑らかさや黒さに違いがあり、それらを組み合わせて芯をつくっていると紹介されています。見た目には一本の細い芯でも、中には材料の選び方の工夫があります。

黒鉛と粘土の割合で、芯の性質が変わる

鉛筆の芯は、黒鉛と粘土の配合によって、硬さや濃さが変わります。同じような形の鉛筆でも、書き味が違うのはそのためです。

持っている鉛筆を見比べると、HBや2B、Hといった記号が見つかります。この記号は、芯の硬さや濃さを選ぶための目印です。

Hは「Hard」、Bは「Black」

Hは、硬いという意味の「Hard」の頭文字です。Bは、黒いという意味の「Black」の頭文字。一般に、H側は硬め、B側は軟らかく濃い側の鉛筆として選ばれます。

たとえば、2BとHで同じ紙に軽く線を引いてみると、線の濃さや手に伝わる感触を比べられます。見え方は紙や筆圧でも変わるので、記号だけで仕上がりがすべて決まるわけではありません。

ここで紹介しているのは、木で囲まれた一般的な黒い鉛筆の芯です。色鉛筆やシャープペンシルの芯まで、すべて同じ材料の配合だという意味ではありません。

鉛筆の芯の主な材料は、鉛という金属ではなく、黒鉛と粘土。HとBは、その書き味を選ぶ目印になる。