「郵便ポストを描いて」と言われたら、何色にしますか。多くの人が、赤を選ぶのではないでしょうか。

ところが、明治時代には黒いポストも使われていました。赤いポストが、ずっと当たり前だったわけではないのです。

黒い柱のようなポストがあった

郵政博物館によると、1872年(明治5年)に郵便の取り扱いが全国へ広がったとき、「黒塗柱箱(くろぬりはしらばこ)」と呼ばれるポストが設置されました。

名前のとおり黒く塗られた、四角い柱のような形です。見慣れた赤いポストを想像してから昔の姿を知ると、色だけでなく形の違いも面白いですね。

赤い丸型が登場したのは、1901年

1901年(明治34年)には、赤い鉄製の丸型ポストが試験的に設置されました。俵谷高七(たわらやたかしち)が考案した「俵谷式ポスト」です。

この年に全国のポストが一斉に赤くなった、という意味ではありません。新しい色と形のポストを、まず試す段階でした。

赤には、見つけやすくする役割

郵政博物館の展示ガイドでは、ポストを赤く塗ったのは、位置をわかりやすくするためと説明しています。

手紙を出したい人が見つけやすい色。その工夫を知ると、街角の赤いポストが「ここで手紙を受け取ります」という目印にも見えてきます。

次にポストの前を通ったら、黒い柱のような昔の姿も、ちょっと思い浮かべてみてください。

赤が定番になる前には黒いポストもありました。赤い色には、見つけやすくする工夫があります。